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日本共産党

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赤旗

第29回党大会での志位和夫議長の閉会あいさつ

2024年1月18日

 代議員および評議員のみなさん。いよいよ大会は最後の議事を迎えました。

 私は、選出された新しい中央委員会を代表して、第29回党大会の閉会のあいさつを申し上げます。

 まず私は、石川県・能登半島地震の被災者支援、被災地の復旧・復興のために、引き続きあらゆる力を注ぐ決意を、閉会にあたってかさねて強調したいと思います。(拍手)

(1)

 みなさん。

 私は、これまで党大会に何度も参加してきましたが、この大会の多くの発言には、目頭が熱くなるような、また、心が洗われるようなたくさんの感動を覚えました。

 民青の拡大目標を超過達成した北海道の民青グループの同志は、「飛躍のカギは、方針通りやってみる。そして、やり続けることです。みなさん、大会決議通りにやってみませんか」と、まるで大会の結語(笑い)のような堂々たる呼びかけを行いました。(大きな拍手)

 46年間、看護師として医療の現場で命の平等をめざして頑張り、地区委員長となり、衆院小選挙区予定候補者となって頑張っている山口県の同志は、党員拡大について、「こんな楽しい活動はありません」と語り、自らの人生のドラマを語り、「人間味あふれる党づくり」の先頭に立つ決意を語りました。

 私が感じたたくさんの感動は、おそらく大会参加者のみなさんの共通の感動だったと思います。

 大会が採択した決議は、全党の科学的英知を結集したものであるとともに、たくさんの感動、たくさんの人間ドラマ、たくさんの未来へのロマンある決意によって豊かにされたものであり、理においても情においても、文字通り、わが党の行く手を照らす羅針盤となったと確信するものです。(拍手)

 全党の努力と奮闘によって、第29回党大会が歴史的成功をおさめたことを、みなさんとともに心から喜びたいと思います。(拍手)

 全党の同志のみなさん。

 決定された大会決議をはじめとする大会の諸決定を、一刻をあらそって全党員のものとし、それを力に、強く大きな党づくりを成功させ、日本共産党の新たな躍進を必ずかちとろうではありませんか。(大きな拍手)

(2)

 この大会には、在日大使館の大使あるいは外交官の方々にも来賓として参加していただきました。来賓の方々がこの大会をどう見たか。たくさんの感想が寄せられています。紹介をさせていただきます。

 ――日本共産党が伊豆学習会館という自前の会場を持ち、大会を開いていることへの驚きと、熱海の自然の素晴らしさへの感動が(笑い)異口同音に語られました。ある方は、「私は、山登りが好きですが(笑い)、丘陵をたどりついて、さわやかな空気につつまれた大会の雰囲気がすばらしく、故郷を思い出しました」と語りました。ある方は、「とても広い施設ですね。山と木々と豊かな眺めが故郷の風景に似ている」(笑い)と語りました。熱海市の齊藤栄市長に報告したい(笑い)感想であります。(拍手)

 ――ある方は、大会決議が明らかにした社会主義・共産主義論に対して、次のような感想を語りました。「今日示された日本共産党の未来社会論は、資本主義を発展させたうえで、市民社会、国民に根差した社会主義をめざすというもので、他のどこの国の社会主義像ともまったく違うものであり、私にとってもとても新しい未来社会のビジョンであり、興奮しました。各国の、とくに若者の将来に、希望を与えられる未来像ではないかと思います」。うれしい感想ではないでしょうか(拍手)。この感想を聞きまして、私たちの未来社会論を、世界の若者にも大いに発信していきたいと考えるものであります。(拍手)

 ――私たちが昨年末に訪問した東南アジアの三つの国の大使館の代表がそろって参加してくれたことはたいへんにうれしいことでした。インドネシアの代表からは、「今回のインドネシア訪問が成功し、大会でASEANへの注目が大きく取り上げられ、たいへん良かった。大勢の代議員の中に参加して、この注目すべき経験ができたことは光栄です」との感想が寄せられました。ラオスの臨時大使は、「志位和夫委員長がインドネシア、ラオス、ベトナムのASEAN諸国3カ国の成功裏の訪問の成果に言及されたことに心から感謝申し上げたい。頻繁な対話、自主独立、ASEANの中心性と結束、外交方針などASEANの良い実践が、貴党の良い教訓になり得るという点に強い感銘を受けました」という感想を寄せてくれました。ベトナムの大使からは、「大会に参加した高揚感のなかで、両党の伝統的な友好と連帯の関係が、とくに志位和夫委員長の昨年12月の訪問を通じて、絶えず強化されていることをうれしく思いました」との感想が寄せられました。

 ――あるヨーロッパの代表は、私に、「私たちも地域の平和と安定のためにASEANに注目しています。対話を重視し包摂的な協力を促進していくというASEANのスタンスを尊重するという点も共通しています」と語りました。私は、この感想を聞きまして、ASEANを共通の友人として、世界に友人が広がったという喜びを感じました。(拍手)

 これらの感想は、私たちがとりくんでいる野党外交、とくに東アジアの平和構築のとりくみが、世界の大道に立った未来ある道を歩んでいることを確信させてくれるものではないでしょうか。(拍手)

(3)

 みなさん。

 この大会は、民主集中制の真価が発揮された大会となりました。一部大手メディアは、この間、わが党に対して「異論を許さない党」などとの非難を繰り返してきました。しかし、大会の姿はこの非難が何の根拠も持たないことを示しました。(拍手)

 大会に向けて徹底した民主的討論が行われました。一人の意見でも、全体に伝えることができるように特別の冊子も発行されました。そのなかには中央委員会に対する批判もありましたが、こうした意見も含めて特別の冊子を発行して全党に伝える党が、日本にほかにあるでしょうか(拍手)。日本共産党だけであります。

 大会の討論も、自由な発言が行われ、中央委員会に対する批判的意見にも発言の機会を保障しました。その発言内容には重大な問題点があり、討論で率直な批判が行われ、結語でも問題点の厳しい批判を行いました。そして大会は、一連の議案を圧倒的多数で採択し、前向きの団結をしっかりとかちとったのであります。(拍手)

 こうした大会の姿そのものが、「異論を許さない党」などという攻撃に対する断固とした回答となったのではないでしょうか(拍手)。私たちは、今後も、「民主的な討論で方針を決め、決めたことはみんなで実行する」という当たり前の原則を貫き、日本の社会進歩の事業を堂々と進めることを、ここに宣言したいと思います。(大きな拍手)

(4)

 みなさん。

 大会は、新しい中央委員会と中央の指導部体制を確立しました。

 これらの新しい体制をつくるさいに、特別の力を注いだことは、ジェンダー平等を綱領に掲げる党として、女性幹部を積極的に起用し、その比重を高めることであります。その結果、中央委員会のうち女性役員数は、第28回党大会の61人から7人増えて68人となり、女性役員の占める率は27・6%から31・6%へと4・0ポイント高まり、人数・率とも党史上最高を更新しました。(拍手)

 日常的に全国的な指導責任を果たす機関である常任幹部会は、女性の比率は30・8%から32・0%に引き上がり、これも党史上最高を更新しました。(拍手)

 もとよりこの到達に満足することは許されません。さらに女性役員の比率を引き上げるために、中央でも、地方でも、女性が、男性とともに、その力をのびのびと発揮できる条件と環境をつくるために、お互いに努力をしていこうではありませんか。(拍手)

 中央委員会は新しい指導部体制を選出しましたが、そのなかで私は、中央委員会議長の任にあたることになりました。私が、書記局長に選任されたのは、1990年の第19回党大会で、その当時は若い、若いと(笑い)いわれ、いまでも気持ちは若いつもりですが(笑い)、月日の歩みは早いもので、今年で70歳になります。そのことも考慮し、幹部会委員長は、若い世代に交代したほうがよいと考えますと申し出たところ、それを認めていただき、新しい任に選出していただきました。私は、新しい体制のなかで、党を代表するものの一人として、ひきつづき党の活動のあらゆる分野で必要とされる責任を果たす決意であります。(拍手)

 新しい幹部会委員長には田村智子さんが選出されました(拍手)。国政のうえでは田村新委員長が党を代表する役割を果たすことになります。女性が幹部会委員長に選出されたのは、わが党の長い歴史のなかでも初めてのことであります(拍手)。私は、田村新委員長が、素晴らしい活躍をされることを確信するものであります。(拍手)

 新しい指導部体制には、小池晃書記局長、山下芳生副委員長をはじめ再任された諸同志とともに、30代、40代の若い同志も参加しています。田中悠新副委員長・書記局長代行は42歳(拍手)、山添拓新政策委員長は39歳であります。(拍手)

 こうして全体として、この大会は、中央委員会とその指導部体制の面でも、10年先、20年先を展望して、未来にわたって責任を果たすことができる条件をつくったということが言えると考えるものであります。(拍手)

 新しい中央委員会は、集団の英知と力を発揮して、国民の暮らしと平和への願いをしっかりと受け止めるとともに、草の根で頑張っておられる全国のみなさんの苦労をわが苦労とし、党の新しい躍進の時代を開くために、全力をあげて奮闘する決意を申し上げるものであります。(大きな拍手)

(5)

 みなさん。

 この大会では、不破哲三さんが、中央委員および常任幹部会委員から退任されました(拍手)。不破さんは、1964年の第9回党大会で中央役員に選出されて以来、60年という長期にわたって(拍手)中央役員として力をつくし、書記局長・幹部会委員長・議長・社会科学研究所所長として、党のあらゆる分野での活動を発展させるうえで、大きな役割を果たしてこられました(拍手)。とくに、マルクス、エンゲルスの本来の立場にたった科学的社会主義の輝きを、スターリンなどによる歪曲(わいきょく)を徹底的に批判的に克服するなかで、21世紀に蘇(よみがえ)らせ、党綱領路線を発展させてきた理論的イニシアチブと業績は、国際的にみても誇るべきものと考えます(拍手)。不破さんが切りひらいてきた理論的探究は、後につづくものが集団で引き継ぎ、発展させなければならないと強く感じるものです。

 私自身、1990年以来、同じ党指導部にあって、不破さんからさまざまな懇切な指導と援助を受け、数えきれないほどの多くのものを学んできただけに、不破さんの退任には特別の深い感慨を覚えずにはいられません。不破哲三さんの長年にわたる日本と世界の政治の発展への貢献、日本共産党への貢献に心からの感謝をのべるとともに、今後とも健康に留意されて活動し、党を見守っていただきたいと強く願うものであります。(長く続く大きな拍手)

(6)

 みなさん。

 この大会の成功は、内外の来賓のみなさんの激励、代議員・評議員のみなさんの奮闘によるものであるとともに、各分野で献身的に大会を支えていただいた多くの要員のみなさんの頑張りによるものであります(拍手)。私は、新しい中央委員会を代表して、大会を支えてくださったすべてのみなさんに、熱い感謝を申し上げるものであります。本当にありがとうございました。(拍手)

 全国の同志のみなさん。全党の英知を結集した大会決議を手に、その全面実践にただちにとりかかろうではありませんか。(拍手)

 大会決議で決定した強く大きな党づくりをめざす新しい目標と方針を必ずやりぬき、まずは第30回党大会まで――2年間で、第28回党大会現勢を回復・突破するという目標を必ずやりぬき、世代的継承でも大きな前進の流れをつくりだそうではありませんか(拍手)。そして、それを力に、来たるべき総選挙で必ず躍進をかちとろうではありませんか。(拍手)

 以上で、第29回党大会の閉会のあいさつを終わります。(長く続く大きな拍手)

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